第1巻「友を選ばば三銃士」
上京
銃士を志し、南仏ガスコーニュからパリへと旅立ったダルタニャン。
途中マンの町でダルタニャンに恥をかかせたのは、リシュリューの懐刀ローシュフォールだった。
以来、ローシュフォールはダルタニャンの目の敵にされる。
三銃士との出会い
パリに着き、銃士隊長トレヴィルを訪ねるダルタニャン。
そこで、アトス・アラミス・ポルトスの三銃士と出会うが、些細な事から彼らと決闘をする事に。
しかし、リシュリュー枢機卿の護衛隊がその決闘現場を通りかかり、その場で護衛隊を相手に決闘が始まると、ダルタニャンは銃士側に付く。結果は銃士側の圧勝、そのおかげでダルタニャンは三銃士と友情を結ぶことができた。
ダイヤの房飾り事件
イギリスの宰相バッキンガム公爵は、フランス王妃アンヌ・ドートリッシュに密会し、ダイヤの房飾りを持ち帰った。それを嗅ぎつけたリシュリューの陰謀で舞踏会が開かれる事になり、アンヌ王妃はダイヤの房飾りをつけて出席するよう国王ルイ13世に言いつけられてしまう。
アンヌ王妃の下着係、ボナシュー夫人は、ダイヤをバッキンガム公の元から持ち帰るとアンヌ王妃に約束する。しかし、頼みの綱だった夫のボナシューは、留守の間にリシュリューのスパイに仕立て上げられていた。
大家の妻でもあるボナシュー夫人に恋していたダルタニャンは、ボナシューの代わりにイギリスへの使いの役目を引き受けることにする。
三銃士と共にイギリスへと旅立ち、途中リシュリューの手下に邪魔されながらも、ダイヤを無事持ち帰ることができたダルタニャン。王妃は見事、リシュリューの鼻を明かしたのだった。
舞踏会翌日、ボナシュー夫人からあいびきの誘いを受けるダルタニャン。しかし待ち合わせの時間になっても夫人は現れなかった。ダルタニャンは彼女がさらわれたのだと見当をつける。
第2巻「妖婦ミレディーの秘密」
ミレディー
ミレディーが兄と呼ぶ、ウィンター卿という人物と、ひょんなことから決闘することになったダルタニャンと三銃士。その後4人はウィンター卿と親交を持つようになり、ダルタニャンはウィンター卿にミレディーを紹介される。
リシュリューの手下と知りつつすっかりミレディーに夢中になってしまったダルタニャンは、毎日のようにミレディーの家に通い、出来心からミレディーの恋人ワルドになりすましてミレディーを寝取ってしまった。
後日、ダルタニャンがその事を告白するとミレディーの態度は豹変。もみ合った際、さらに肩に百合の烙印があるのを知られてしまったミレディーは、それ以来、たびたびダルタニャンの命を狙うことになるのだった。
ラ・ロシェル戦
ダルタニャンの配属するデ・ゼッサール隊は、銃士隊よりも一足早くラ・ロシェルへ向かう。ダルタニャンはミレディーの刺客に襲われながらも、戦争ではなかなかの功績を残す。やがて銃士隊も合流し、久しぶりに4人の仲間がそろう。
ある日三銃士は、リシュリューがミレディーにバッキンガム公を脅迫するよう命じるのを聞いてしまう。
周囲に気取られずバッキンガム公に危険を知らせる計画を立てるために、4人は、「サン・ジェルヴェの要塞で食事をし1時間そこを死守する」という賭けに乗ることに。要塞で計画を立てつつ1時間半踏ん張った4人は、陣へ帰るなり英雄扱いされたのだった。
ダルタニャンは銃士隊員になる。
バッキンガム暗殺
四銃士の根回しのおかげで、イギリスに渡ったミレディーは、イギリスに到着するなりウィンター卿に幽閉される。
彼女の見張り役には、ウィンター卿の腹心で鉄の男フェルトンが採用されるが、ミレディーは彼が清教徒である点を利用して脱獄に成功。更に、フェルトンを騙してバッキンガム公を暗殺させるという芸当までやってのける。
コンスタンスの死とミレディーの処刑
ミレディーはそのままフランスに舞い戻った。リシュリューと会う約束をしたベチューヌの修道院は、誘拐されたボナシュー夫人が身を寄せていた場所でもあった。
初対面の彼女がボナシュー夫人その人であることにミレディーが気付いた時、タイミング悪く、ボナシュー夫人の居場所を突き止めた四銃士が到着した。ミレディーは迷う暇もなくボナシュー夫人に毒を飲ませ、そこを後にする。ボナシュー夫人はダルタニャンの腕の中でこときれた。
落胆するダルタニャン。アトスは一人密かにミレディーと因縁のある首斬り役人を手配していた。
ミレディーの居場所を突き止めた4人は、その場で彼女を裁き、首斬り役人が彼女の首を刎ねたのだった。
エピローグ
ダルタニャン、ローシュフォールと仲直り。リシュリューから銃士隊副隊長の任命書を渡される。
ラ・ロシェルは落城。
数年後、三銃士はそれぞれの理由で軍籍を去っていった。ただ一人ダルタニャンだけが銃士隊にとどまったのだった。